ここは、宿命天中殺のなかで、いちばん頭をひねるところです。六種の天中殺には、それぞれ生き方の条件がありました。その条件が、宿命天中殺と重なると、打ち消される。マイナスにマイナスを掛けて、意味が反転するのです。
おさらい
六種には、生き方の型がある
天中殺には六つの種類があり、それぞれに、生き方の型が定まっていました。もう一度、並べておきます。
- 子丑・辰巳・戌亥 …… 初代運。親の恩恵を受けず、自分の代から始める。
- 寅卯・申酉 …… 後継ぎ運。親や先祖の恩恵を受け、受け継いでいく。
- 午未 …… 末代運。自分の代で、いったん流れを収める。
ここまでは、後天運としてめぐる天中殺の話。問題は、この六種の型を、生まれつき宿命として抱えている人に、さらに宿命天中殺が重なったときです。
反転
初代運が、初代になれない
たとえば、子丑天中殺。本来は、親元を離れ、自分の代から始める初代運です。ところが、そこに生年天中殺が重なると、どうなるか。「親元を離れる」という宿命そのものが、天中殺されます。つまり、親元を離れられない人になる。やむを得ず、親のものを継ぐことになります。
ただし、内心では、離れたい、自分の代から始めたいと思っている。だから、継いでも、そのまま継ぎません。中身を変えて、自分流に作り直して継ぐ。初代の魂を持ったまま、後継ぎの立場に置かれる。その葛藤とねじれが、この人の持ち味になります。
逆もまた
後継ぎが、後を継げない
逆のパターンもあります。寅卯天中殺は、本来、親の恩恵を受けられる後継ぎ運です。そこに生年天中殺が重なると、後継ぎの気質を持ちながら、後を継げない。親との縁が薄くなり、受け継ぐべきものから、切り離されてしまう。
面白いのは、このとき、本来は用心深いはずの寅卯からは考えられないような、無鉄砲な前進力が出ることがある、という点です。継げないなら、自分で始めるしかない。後継ぎの魂が、初代の行動に駆り立てられる。ここにも、反転が起きています。
読み方
二重否定は、怖くない
マイナスに、マイナスを掛けると、プラスになる。天中殺という「欠落」に、宿命天中殺というもうひとつの「欠落」が重なると、意味が反転する。この二重否定の構造さえ、一度つかんでしまえば、六種と宿命天中殺の組み合わせは、もう怖くありません。
大切なのは、打ち消されたあとに、何が立ち上がってくるかを読むことです。継げないから、始める。離れられないから、中を変える。欠落と欠落がぶつかった場所に、その人だけの、ねじれた強さが生まれます。それを、吉凶で裁かないこと。反転は、可能性の、もうひとつの顔なのです。
欠けたものに、もう一度、欠けたものが重なる。
その二つの「ない」が出会う場所に、あなたにしかない「ある」が、立ち上がります。