十干が空間なら、十二支は時間
十干が「空間」なら、十二支は「時間」です。十干が何者か(本質)をになうのに対し、十二支がになうのはいつ・どこで・どんな場でという、時間と場の側面です。だから十二支は、十干のように一文字で人物像が立つものではありません。卯ひとつ取り出しても性質は決まらず、その意味は季節・方位や、ほかの支との関係のなかで立ち上がります。
そこでこの記事では、十二支を一支ずつ深掘りするのではなく、十二支とは何かという全体像を主軸に置き、各支はその中で簡潔にまとめます。(十二支が抱える蔵干、そしてエネルギーを表す十二大従星は、それぞれ別記事で扱います。)
陰陽・五行・方位・季節
十二支は、まず陰陽に分かれます。陽は子・寅・辰・午・申・戌、陰は丑・卯・巳・未・酉・亥。そして五行と方位・季節が割り当てられます。十干が方位に定位置を持つように、十二支にも主役の方位(場所)があります。
| 五行 | 方位 | 季節 | 十二支 |
|---|---|---|---|
| 木性 | 東 | 春 | 寅・卯 |
| 火性 | 南 | 夏 | 巳・午 |
| 土性 | 中央 | 土用 | 辰・未・戌・丑 |
| 金性 | 西 | 秋 | 申・酉 |
| 水性 | 北 | 冬 | 子・亥 |
ポイントは、十干(空間)は十二支(時間)と一体になってはじめて意味を持つ、ということ。場所だけでも時間だけでも世界は成立せず、両方そろって命式という「最小の自然」になります。
季節と季節の継ぎ目
土性の四支(丑・辰・未・戌)は、季節の変わり目に置かれた「土用」です。前の季節から次の季節へ移るとき、風の流れが不安定になる、その継ぎ目の時間。だから土用の支は、前の季節の質を引きずっています。
冬 → 春
春 → 夏
夏 → 秋
秋 → 冬
「土用には土を掘り返すな」と言われるのも、継ぎ目の不安定な時期に下手に動くな、という自然の知恵です。
十二の支動物・方位・五行・陰陽・月と、象意のひとこと
十二支は「関係」で動く
十二支の本領は、単体ではなく組み合わせにあります。同じ方位がそろう方三位(寅卯辰=東、巳午未=南…)、離れた支が結びつく三合・支合、向かい合う支がぶつかる冲、そして刑・破・害 ―― これらは支が複数そろってはじめて働く「関係の技法(位相法)」です。
一支ずつのカタログでは見えてこない、十二支の真価がここにあります。場どうしがどう響き合うか、という世界。この関係の世界は、内容が大きいので別記事であらためて扱います。
時間と場のシステムとして
十干が「空間・本質」を、十二支が「時間・場」を受け持つ。十二支にもそれぞれ象意はありますが、その本領は、季節や方位、ほかの支との関係のなかで発揮されます。十二支を「人物カタログ」ではなく「時間と場のシステム」として捉える ―― それが、この十二文字と付き合う入口になります。