前世からのメッセージは、大運の初旬にあり。
初旬
なぜ、最初の十年だけが一生に効くのか
大運は、人生を十年ごとに区切って読む、大きな運のサイクルです。そして、その最初のひと区切りを、初旬といいます。
この初旬には、不思議な特別扱いがあります。二旬目からあとの大運は、基本的にその十年のあいだの運です。ところが初旬だけは、その十年にとどまらず、人生全体に影響するとされるのです。最初の十年の気が、生涯の下地になる。三つ子の魂百まで、を、算命学は大運の骨組みとして持っているわけです。
なぜ、初旬だけが。教科書は、その理由を深くは語りません。答えは、こうです。
初旬とは、前世から今生への、引き継ぎ書だからです。
生まれたばかりの魂は、まだ前世に近いところにいます。自我が固まる前の、最初の十年。そのあいだに魂が浸かっている気のなかに、今回の人生の用件が、申し送りとして書いてあります。だから初旬は、十年で消えずに、一生に効くのです。
私の場合
引き継ぎ書を、読み下す
私の初旬は、八歳から十七歳。干支は癸丑です。陽占に直すと、玉堂星と天南星。位相法では、西に害、そして東は、年柱の癸丑と律音になっています。
これを、前世からの引き継ぎ書として読み下すと、こうなります。
古典と伝統に学び、そして伝えなさい(玉堂星)。
若々しく、外へ向かって進みなさい(天南星)。
家庭に納まるより、外の世界で生きなさい(西の害)。
そして仕事は、ひとりで何役も担いなさい(東の律音 ― もうひとりの自分)。
振り返ります。会社員をやめて、独立しました。書籍を書き、ブログを書き、セミナーを開き、ジャズレーベルを主宰し、協会を立ち上げ、鑑定をし、こうして運命哲学のサイトを書いています。ひとりで、何役も。家に納まらず、外の世界で。そして、密教に入り、仏教と哲学を大切にしながら、古いものに学んだことを、伝えている。玉堂星の言うとおりに、です。
引き継ぎ書のとおりに、歩いてきたのです。
使命
探すものではなく、思い出すもの
使命、ミッション、天命。この言葉を、外に探しに行く人はとても多い。自分探しの旅に出て、セミナーを渡り歩き、それでも見つからない。
けれど、この仮説に立てば、話は逆になります。使命は、探すものではありません。思い出すものです。引き継ぎ書はもう、届いているのですから。しかも初旬、つまり幼いころの自分は、その手紙を、いちど開封しているのです。子どものころ夢中だったこと、なぜか惹かれていたもの。あそこに、用件の断片が散らばっています。
命式は、他人に当ててもらうための紙ではありません。ときどき自分で読み返すための、手紙です。
むすび
効用で、選ぶ
この見方を採用すると、初旬の見え方が変わります。幼いころの記憶は伏線に、いまの多忙は役目に見えてくる。そして何より、今日一日の生き方が、丁寧になります。
私が精神世界とつき合うときの物差しは、いつもそこです。真偽ではなく、効用。前世はあるか、ではなく、あるとして生きると、人生がどうなるか。答えは、良くなる、です。それで十分です。
人生の用件は、最初の十年に、もう書いてある。
あとは、読み返すだけです。